📖Reading
ケーススタディで学ぶビジネス日本語 第9課
Tap dashed words to translate
1
第9課 報告
【はじめに】
「ホウ・レン・ソウ」という言葉を聞いたことがありますか。日本の会社で仕事の基本と言われる「報告」、「連絡」、「相談」のことです。新入社員の立場でまず重要になる「報告」を中心に、気を付けることを学びましょう。
2
【読解】
多くの企業がチームワークの重要性を認識している。チームワークを生かして仕事を進めていくためには、社員相互のコミュニケーションが欠かせない。こうしたことから、「報連相」が重視されている。
3
「報連相」とは、報告、連絡、相談のそれぞれ最初の漢字を取ってまとめて言う言い方で、仕事を進める上での基本である。野菜の「ほうれんそう」と同じ音で覚えやすいのでこのように言われる。では、そもそも「報告」、「連絡」、「相談」とは何だろうか。
4
「報告」とは、基本的には上司から指示や命令を受けた部下がその経過や結果を上司に伝える行為をいう。「連絡」は、立場の上下にかかわりなく、情報を関係者に伝える行為を指す。そして「相談」とは、自分の考えを誰かに聞いてもらいたいときや何か判断に迷っているときなどに、適切な相手に事情を話して参考意見やアドバイスをもらう行為をいう。
5
「報連相」がスムーズに行われている職場では、社員同士で意思がうまく伝わるので、トラブルを事前に防ぐことができるし、トラブルが起こった場合でも早く解決することができる。また、新しいアイデアを出し合いながら成果を出していくことができる。そうすると、社員のモチベーションが上がり、成果が上がる。一方で、「報連相」が実践されていない職場では、社員間で意思がうまく伝わらず、トラブルが増え、業務効率が落ちて、思うように成果が上がらなくなる。社員のモチベーションは下がり、お互いの信頼関係も作れなくなる。
6
Aさんにはこんな失敗がある。取引先からAさんに打ち合わせの日程変更の話があった。Aさんは、同席する課長のスケジュールを確認することなく、日程変更を承知し、しかも、そのことを課長に報告しなかった。別の予定があった課長は打ち合わせに参加できず、再度打ち合わせが必要になってしまった。取引先から日程変更の話があったときに課長に報告さえしていれば、こんなことにはならなかったのにと、Aさんは深く反省したのである。
7
では、報告はどのように行えばいいのか。大切なことは2つある。報告のし方とタイミングである。
まず、報告のし方だが、結論を先にして短く分かりやすく話す。状況を最初から順番に話し始めると、結論が分かるまでに時間がかかる。「時は金なり」という言葉があるが、長い報告は上司の貴重な時間を奪っているということである。
8
次にタイミングだが、なるべく早く報告することが重要だ。特に悪い報告の場合、上司に伝えづらく、つい後回しにしてしまいがちだが、先に周囲から上司の耳に入ってしまうと、上司は不信感を抱いてしまう。早めに報告し対策を立てれば、早期解決できることも多い。悪い内容でなくても、上司から聞かれる前に報告するのが部下として適切な態度である。ただ、良いタイミングで報告するために、上司の仕事をよく見ることは必要だ。
9
では、終わるまで時間がかかる仕事の報告はいつするか。半分ぐらい終わった段階で中間報告をするとよい。あるいは、一日の終わりや週末、月末など区切りのいいときに報告するのもよい。その上で仕事全体が終わったら最終報告をする。報告してはじめて仕事が終わるのである。上司や先輩から「指示したのに全く報告がない。」とか「良い報告ばかりして悪い報告をしてこない。」などと言われてしまったら、その後信用されなくなってしまうだろう。チームの一員として仕事をし、良好な人間関係を築くためにも、報告は必要なことなのである。
10
【考えてみよう】
1. Aさんは打ち合わせの日程変更のことで失敗しましたが、その原因は何でしょうか。
2. 筆者は、報告はどのようにすべきだと言っていますか。2つのポイントに分けて考えてみましょう。
11
【ケーススタディ】
あなたは新入社員です。まだ、どのようなことを上司に「報連相」すればいいかよく分かりません。あなたならa~cのどれを「報連相」しますか。
a) 見積書にミスがあり、取引先の人に言われ訂正したものを送らなければならない。
b) 先週連絡した親睦会の出欠がまだ集まらないので、もう一度メールを送りたい。
c) コピー機にA3用紙が入っていなかったので、新しい用紙を入れた。
End of passage.